今だからわかる布団のすばらしさ

実家は古い家でしたので、全て和室、もちろんベッドが似合う部屋でもなかったので、家族全員布団で寝ていました。たまに友人の部屋やテレビでベッドで生活している風景を見ると、正直うらやましいなと思うこともありました。なにしろ布団は、毎日寝る前に敷き、朝起きると押し入れにしまわなければなりません。特に寒い日の朝等は、少しでも布団に入っていたいのに、無理やり起こされ、なおかつ重労働を強いられるのですから。数年後、都会の学校に出た為、初めての一人暮らしをすることになりました。

最近の部屋は洋室のフローリングタイプのところが多く、せっかくなのでと新築のワンルームを選びました。両親は当然のように寝具の準備をしてくれましたが、私はこれを機にと、憧れのベッド生活を選ぶことにしたのです。ベッドの生活は煩わしかった布団のあげさげをする必要もなく、とても快適に過ごしていましたが、ベッドにも致命的な欠陥があったことにしばらくして気付きました。ベッドは確かに便利です。かわいいカバーをかければソファー代わりにもなりますし、ベッド下には収納も可能です。しかし、狭い部屋なので友人が遊びに来たとき等、座る場所もありません。これが布団の生活だったならば、不要なときは押し入れにしまうことができ、寝るとき以外の時間、部屋を広く使うことができます。また、ベッド下には想像以上に埃がたまりやすく、何度も掃除機を入れて掃除を試みるのですが、なかなか奥まで掃除できません。

狭い部屋に無理やりベッドを置いているので、簡単に動かすことも難しく、結局は次の引越しのときまで掃除できないままの箇所もありました。引越しのとき、ベッドを動かしてはじめて、その汚さに驚き、こんなところで毎夜寝ていたのかと恐ろしくなったほどです。幸い私にはアレルギーはありませんが、ハウスダストのアレルギー持ちの方にとっては、これは重大な問題になると思います。実家の年老いた両親は、未だに布団の生活を続けています。何度かベッドにしてみたらと勧めたことがあるのですが、毎回断られてしまいます。見た目には楽に見えるベッドの生活より、長年続けてきた寝起きの習慣を選ぶというのが、なんとも両親らしいなと思います。母は、天気のいい日には全ての布団を干して、気持ちのいい睡眠を堪能しているので問題ないと言っています。確かに都会で仕事をしているベッド生活の私には決して味わえない幸福なのでしょう。

Send a Comment

Your email address will not be published.

*